■資金計画サポート(歯科開業 融資のポイント)

 上手に金融機関を活用することが、歯科開業を成功させるカギ 

歯科開業では、楽観的な見通しは厳禁

Peggy_Marco / Pixabay

開業を考えたときに大きな壁になるのが「開業資金の準備」でしょう。自己資金ですべてまかなえるという先生は少なく、ほとんどの場合、政府系の金融機関や、銀行の融資を利用することになります。

開業にあたり必用になる経費は、不動産の契約や病院設備、内装などの設備費用、そして、当面の材料やスタッフの給料などの運転資金です。開業したばかりの歯科医院の場合、開業早々から多くの患者様で賑わうという想定は残念ながらあまり期待できません。

オープンしたものの待てど暮らせど患者様がこないという事態になれば、焦りも募ってこようというもの。思うように集患できず、運転資金がどんどん減っていく…、家族からは不安の声が漏れだす…そんな状況はかなり苦しいものになることは想像に難くありません。

「訪れる患者様の数を楽観的に見積もるのは禁物」というのが鉄則です。経営が安定するまではしばらく時間がかかると見ている方がよいでしょう。「支出は多め」に、「収入は少なめ」に見積もることが、歯科開業を成功させる秘訣と言えます。

まずは、事業計画に沿って理想と現実と、擦り合わることが大切です。また、機器の購入にあたっては、月賦やローンの利用は最終的に考えれば購入した方が得なので、極力、利用を控えたいところですが、無理をして手持ち資金を減らすこともありません。リース会社の月賦制度を利用しながら、最終的に医療機器を買い取れる制度もあるので、リースを上手に活用していくのもひとつの方法です。

金融機関からの借入にあたっては、金融機関は自己資金額、担保、事業計画書、保証人を考慮して判断します。自己資金は多ければ多いほど、融資も通りやすくなります。

目に見える設備だけでなく、目に見えにくい開業後の宣伝などの経費、運転資金、税金等も考慮して、資金計画をシミュレーションします。親族などからの借入を行う場合は「贈与」と判断されるケースもあるので注意が必用です。

先生一人ひとりのお考え、状況をよくうかがって、それぞれに合った資金計画の立案をサポートさせていただきます。

■開業にあたり、活用したい公的融資制度

【日本政策金融公庫】

全額政府出資の金融機関です。開業資金を借入する際は、基準金利は固定。設備投資の金利は2%台と、銀行と比較して1%は安いので、ぜひ、利用したいところです。

また、「IT活用促進基金」を上手に活用すれば有利な条件で融資を受けることも可能です。

☆全額を日本政策金融公庫でまかなうことはできないので、銀行の利用もバランスよく検討していくことが大切です。